2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

1973年のロック・アルバムというのは個人的にも愛着があるものが多いのですが、ポール・サイモンの「ひとりごと」もその中のひとつ。超大作だって書けてしまう超一流の作家による、さらっと書いたような小粋な短編ばかりを集めたような、そんな粋な名曲ばか…

Paul Simon / There Goes Rhymin’ Simon (1973)

トラフィック・サウンド同様、こちらも南米ペルーの怪しげなサイケバンド。これがプログレ/ハード好きの間で話題になったタルカス(TARKUS)の前身バンドだったとは驚きの事実。ソフト・ロックみたいに紹介されてたりもしますが、アソシエイションみたいなも…

Telegraph Avenue (1971)

英国フォーク好きにはたまらない、このジャケ写真の雰囲気。ロンドンの橋の上で佇む2人の、ちょっと荒れた感じの画像の質感。そしてジューン・テイバーの、これでもかというくらいに長過ぎるブーツ姿も何とも勇ましい。サウンドも80年という時代とは思え…

June Tabor with Martin Simpson / A Cut Above (1980)

1966年に全米11位のヒットを記録したスタンデルズの「Dirty Water」。いわゆる当時のストーンズに代表される60年代ブリティッシュ・インヴェンションに影響されたシンプルながらクセになる曲ですが、地元ボストンの野球チーム「レッド・ソックス」の…

The Best Of The Standells (1989)

便宜上ジャズにカテゴライズしていますが、これはやはりニューウェイヴ時代のフュージョンの変種。墨汁まみれのウェザー・リポート。坂田明がデタラメ語で歌うタイトル曲など、同時期のWha-ha-haのアルバムにに納められていても不思議ではないぶっ飛んだアヴ…

山下洋輔 / 寿限無 Vol.2 (1981)

全曲PVが作られたという、このアルバム。実はピーター・バラカン氏が80年代に司会を勤めていた「ポッパーズMTV」というテレビ番組で紹介され、その影響で当時買いました。マッド・ジョンソンの怒れる表情と歌声が、自分の青春時代の鬱屈した気持ちを代弁し…

The The / Infected (1986)

ジメジメしてなくていいですね。片思いの歌であっても空がからっと晴れているような、そんな歌ばかり。愛する男性への「何故?」とか「どうして?」とか、そういう問いかけもなく、身の回りにあるちょっとした風景の変化や穏やかな気持ちのありのままを歌う…

おそらく最初に耳にするなら「似たような曲が多い」とか「退屈で何も印象に残らない」とか「歌が淡白すぎる」とか、そんな感じのアルバムでしょう。しかし、その3つの理由すらコンセプトの一部であるかのように、このアルバムは驚くほど全体が統一されたイ…