UK folk

ラフトレードから3枚のアルバムを残し、いつの間にか消えてしまっていたシェリアン・オーファンが、まさか16年ぶりに新作を出していたとは知りませんでした。といっても4年前の話。4年間も、そういう情報が入ってこなかったというのも地味すぎて悲しい…

英国フォーク好きにはたまらない、このジャケ写真の雰囲気。ロンドンの橋の上で佇む2人の、ちょっと荒れた感じの画像の質感。そしてジューン・テイバーの、これでもかというくらいに長過ぎるブーツ姿も何とも勇ましい。サウンドも80年という時代とは思え…

ITHACAの中心人物の2人、Peter HowellとJohn Ferdinandoによる,これまた謎なアルバム。何でも知人が制作した映画のサウンドトラックとして作られたアルバムだそうで、当然のように自主制作盤。これがまた、例によってリコーダーとか女性ボーカルが激可愛いキ…

以前紹介したこともある70年代初頭のUKのグレート・アンノウンなフォークグループ、IthacaとAgincourt。そのバンドの中心人物、John FerdinandoとPeter Howellによる最初の自主制作盤で、同名の劇のサントラとして制作されたもの。当然、オリジナルはUKフ…

キース・レルフがプロデュースしたセカンドの方が知られていますが、このファーストの方が「幻想的な英国フォーク」のまさにド真ん中のサウンドで、個人的には最高だったりします。大半はウォーター・イントゥ・ワイン・バンドやヘロンのような木漏れ日フォ…

フェアポート・コンヴェンションのメンバーをバックにしたがえて発表された英国フォーク系SSW、アラン・テイラーの1st。半数以上がトラッド曲なんで、初めて聴いた時は「あかん、地味すぎる」と思ったのに、今となっては「これを聴かずに英国フォークは…

異種格闘技を装いつつ、その後の英国フォーク/トラッド・ロックの原型になったマスター・ピースが、このシャーリー・コリンズとデイヴィ・グレアムの共演盤。いかにも伝統的なトラッド・シンガー、シャーリーの素朴な歌声に、変幻自在なテクニックで革新的な…

ジョニ・ミッチェルやジュディ・コリンズに影響されたと思われる英国の幻のSSW,シェラ・マクドナルドの1stですが、やはりこれは女性版ニック・ドレイクというのがピッタリでしょう。ドレイク作品でおなじみのロバート・カービーによるストリングス・ア…

クラナドは有名といえば有名すぎるアイルランドを代表するバンドですが、ちゃんと聴き始めたのは最近のこと。出回ってるのは80年代以降のアルバムながら、やはり70年代の素朴な音の方に個人的には惹かれます。この3rdは、たしかに地味といえば地味なん…

弾き語りみたいな印象のあるニック・ドレイクの1stですが、ちゃんとストリングスなんかも入ってます。よくフォーク系のアーティストの作品を評するときに、ストリングスが入っているからダメとか、そういう言い回しがあったりするものですが、このアルバム…

ラフトレードから3枚のアルバムを発表したシェリアン・オーファン。ひっそりと現れひっそりと消えていった、その佇まいすら、彼らの幻想的な「ブリティッシュ・フォーク」らしいサウンドそのものを体現してくれているような。いや、本人たちは、やっぱり売…

Kissing Spellは、偉いです。遂にアイルランド・フォークのレア盤、Mac Murroughの3枚が再発となりました。といって喜ぶ人、買う人が全国に何人いるのかは知りませんが、まぁ、細かいことはさておき、これがまた音も最高なんですね。大好きなTickawindaに比…

英Deramが実験的に立ち上げたレーベルDeram Novaから発売されたBill Fayのファースト。以前紹介したセカンドでは痛々しいほどシンプルなバッキングで切々と歌う泣きのSSWという感じでしたが、こっちはまだ元気。メロディーは切な系ですが。歌声はELPの…

どんな理由であれ、若すぎる死を迎えたミュージシャンのラスト作とあっては、感傷的な気分にならざるをえないもの。ましてや、前2作とは違い、すべてを装飾を削ぎ落としたかのようなシンプルな弾き語りによる独唱とあっては、「悲しみ」どころか「悲痛」さ…

リンディスファーン(Lindisfarne)の2nd('71)な〜んと全英チャート1位ですよ、これ。だけどロック名盤100選とかいっても、絶対選ばれないんですよねぇ、このバンド。アルバムよりライブがメインで、なおかつ地元に密着した実にローカル・アクトな活動だ…

トレヴァー・ルーカスとサンディ・デニー夫妻が「フォザリンゲイも解散したことだし、フェアポート・コンヴェンションとか、その辺のメンバー誘ってロックン・ロールのセッション・アルバム作ってみるか」みたいな勢いで制作されたアルバム。バンド名がザ・…

ヴァシュティ・バニヤン(vashti Bunyan)の60年代の曲を集めた素晴らしい編集盤(2CD)です。一般的に「ポップ・シンガー時代」と言われたりしますが、このDisc2に12曲も収められた64年の本人の弾き語り演奏を聴いて驚愕。 結局フォークというか、…

どうでもいいけど、あまりに冴えない地味地味なジャケットですなぁ。しかも内容も地味の極致ともいうべき英国フォーク。でも密かに愛聴盤。このアルバム出したCottageレーベルって、どれもこんな感じの庶民派のローカル・フォークばっかりなんですけどね。 …

この「アンディ・アーヴァイン&ポール・ブレイディ」('76)は、本作を手がけた名プロデューサー、ドーナル・ラニーが「最高の作品」と自画自賛し、さらに主役の男2人も「大好きな作品」と太鼓判を押す、アイルランド音楽の本当の名盤。アンディの歯切れのい…

このジャスト・アザーズ(Just Others)の「アマルガム」は、1974年にイギリスで250枚だけ自主制作されたフォーク・アルバム。2人組で静かに演奏されるその内容は、それこそ初期のサイモン&ガーファンクルのような素朴で美しいフォークであり、なお…

おぉ、なんと美しい・・・。普段はブリティッシュ・フォーク好きを公言しているものの、正直アイルランド方面のフォークに限っては深く追求していないわけなんですが、このスカラ・ブレイ('71)の復刻CDは、ちょっとした衝撃でした。とりわけ斬新というわけ…

クリス・フォスター(Chris Foster)というUKトラッド・シンガーによるセカンド・アルバム('79)。これはいいですよ〜。ギターの腕前もさることながら、とにかく声がいい。もうブリティッシュ・フォークを歌うために生まれてきたような端正かつ男気溢れる声。…

UKの自主制作フォーク、Ithacaにはテストプレスのみの2ndがあると以前書きましたが、それがコレ('72)。名義がFriendsになっていますが、同名の2人組ネオアコ・バンドもあるのでややこしいです。ただ音楽的にはUKフォークというより、ほとんどネオアコ/…

アイルランド・フォークのレア盤として有名なLoudest Whisper('73)ですが、、こういうのをボーナストラックつきで再発してくれるSunbeamというレーベルは、第二のKissing Spellを目指しているのでしょうか。なかなかやってくれます。ジャケットを見ると極渋…

マーク・フライ(Mark Fry)というSSWによる唯一のアルバム('72)。雰囲気はドノヴァンに近い弾き語りながら、どこか焦点の定まらないぼやけた感じのアシッド・フォーク。おそらくアクビが出るほど退屈という人もいれば、夢見るような木漏れ日フォークっぷり…

キャサリン・ハウ(Catherine Howe)には何枚かアルバムがありますが、なんといってもこの1st('71)がダントツで素晴らしい。オーケストラをフィーチャーした純然たるポップ作品ではありますが、ほとんどが落ち着いたスロー〜ミディアム系ばかりなのが崇高な佇…

「廃墟ジャケ」かと思ったら、燃えてしまったバスが寺院みたいなのをバックに映ってるだけでした。1972年製のUKフォークで、数曲だけトラッドが混じっています。アシッド系のUSフォークっぽい雰囲気もありますね。 Mick FlynnとDave Callinanという…

ジャケットがこれで、バンド名がマッシュルーム(Mushroom)ですから。かわいいもんじゃないですか。裏ジャケも、なかなか味わい手書きのクレジット。もちろんこういうのは自主制作盤と相場が決まっていて、当然値段も高い。真相は1973年のアイルランド製…

白黒ジャケでメンバーが雑木林に立っている。ただそれだけのジャケットにグッとくるような英国フォーク・マニアにはたまらないのが、このシルバー・バーチ。「誰やねん?」と不安になったあなた。大丈夫です。ボクも全然知りませんから・・・って、これじゃ…

いきなりですがオベロン(oberon)です。わかってる情報は、英国の1971年の自主制作フォーク・アルバムだということ。原盤は日本に1枚も無いとか、あっても人様が買える値段じゃないとか、内容よりそういう方面で人気だったりも。タイトル通り、冬より夏…