city pop

昔から「歌が上手いなぁ」と思うアイドルは岩崎良美、河合奈保子あたり。子供ながらに当時から歌番組でその実力は認識していました。しかしアイドルという存在で初めて個人的に最も身近に感じたのは岡田有希子と菊池桃子でした。自分が10代だった80年代の頃…

このアルバムは銀色夏生が作詞・作曲した楽曲をアルバムにするために雑誌でボーカルを募集し、選ばれた伊藤七美という全くの素人の少女の歌唱によって作られた作品です。セルフライナーで「彼女の歌声は私の神様でした」と語っていますが、確かに作品の主役…

アニメ関係で絶大な支持を得ている新居昭乃の第1作。90年代になるとウィスパーボイスな歌唱で内省的なサウンドが中心になるのですが、このアルバムは歌い方も素直で明るくまっすぐな感じ。曲調は多彩ですが全体的にはニューミュージックの発展系とも言うべき…

リマスターされたCDの解説によると、このアルバムに入れる予定だったスティーヴィー・ワンダーの書きおろし曲が、なんとあの有名な「心の愛」だったそうです。ところがスティーヴィーのスタッフが「あの曲よい曲だから日本人なんかにあげるのもったいない」…

はちみつぱいの唯一のアルバム。とにもかくにも1曲目の「塀の上で」につきます。他の曲はいい意味でとっ散らかったり、いかにも70年代的なユルさで、それこそジャケやタイトルから感じられる下町のメルヘン風情みたいな雰囲気。それも含めてアルバム全体も…

大滝詠一さんがお亡くなりになった後、しばらく数週間は、さまざまな方のツイートをぼんやりと眺めて思いを巡らせていました。一番印象的だったのが「大滝さんの音楽が好きなミュージシャンは、もしかしたら自分の音楽を大滝さんが聴いてくれるかもしれない…

当時、オリコンチャートの6位だったという事実もさることながら、実際、音楽的にも脂が乗り切っていた時期(本人ライナー談)なのでしょう。最近リマスター盤CDで買い直して、単に懐かしさだけに終わらない当時のアレンジの音の豊かさに聴き入ってしまいま…

世代的にバブルを満喫できた大人ではなかったのですが、子供心にも「甘い記憶」のように残る泡っぽい音楽というのがあって、そのひとつが木村恵子の「コルトレーンで愛して」という曲。たしか当時ラジオで聴いたのかな。なぜかコルトレーンというキーワード…

シンバルスはノーチェックでしたが、土岐麻子のソロ作は、何となく買い続けています。カバー集も悪くはないですが、やっぱりオリジナル曲主体のアルバムが落ち着きます。自分は、こういうのが日本のポップスの王道だと思ってますが、しみったれた曲ばかりが…

ブレッド&バターで一番よく聴いたレコードといえば「ブレバタ・パーティ」('81)と、この「サーフシティ」('84)。前者がアルファ時代、後者がTDKコア時代の編集盤。さえない男が2人写っているオリジナル盤より、素敵なイラストのベスト盤の方が購買欲を…

「夏のペーパーバック」で始まり、後発シングル両面曲「Bachelor Girl」「フィヨルドの少女」が組み込まれた現行CDの曲順に違和感を感じざるを得ないのは、それほど「魔法の鐘」から始まる9曲入りのLP盤に慣れ親しんだリアルタイム派ならではの悲しい性…

「キュプラ」で話題のウィスパー才女フレネシ(frenesi)が、ハモンド・オルガン奏者の河合代介と組んだユニット。バックで演奏に参加している実力派ミュージシャンのラテン・ジャズ風味のグルーヴィーな演奏もさることながら、自由自在に泳ぐ水槽の魚のような…

あんまりよく知りませんが、一部で「和製ソフトロックの隠れ名盤」といわれてるアルバム。時代的にも渋谷系がちょっと入っていて、リアルタイムの自分だったら、ちょっと勘弁的なオシャレな佇まいも、今となっては甘酸っぱい記憶だけが残っているのでしょう…

ジャケットのイメージもあるんですが、このアルバムには冬の冷たい空気が似合います。今ではJ−POPの表通りを勇ましく歩いている印象がある坂本真綾ですが、この頃は世間ではまだ「声優だけど音楽クオリティが高い」みたいな認知のされ方。それって声優よ…

まったく音楽と関係ないんですが、このジャケ、スゴイなぁ(笑)いや、何も考えてないという意味で。いや、考えてるのかな。更に歌詞カードの写真もすごくて、断崖絶壁の中をフェラーリが駆け抜けているという意味不明さ。え〜と、スーパーカーのブームって…

センス史上主義。なおかつコンセプト重視。加藤和彦のこうした徹底的なこだわりも、すべてがあまりにも明確な意思を持って全編が貫かれているから、すごいのです。オシャレとかセンスの良さとかそのいうものって、実は軟弱なようでいて、結局最終的には、そ…

ウィスパー・ボイスの達人、ビーチェ(bice)のファースト。個人的には、より内省的になったセカンドの妖しい魅力には幾分負けるとは思いつつ、やはりこのファーストも大好きなアルバムです。彼女のアルバムの中でもメジャー感のある作りで、生ドラムやストリ…

全編、坂本龍一によるラテン/フュージョン風のアレンジが素晴らしい南佳孝の名盤。あの辛口で有名な音楽評論家、和久井光司にして「曲の良さはハンパじゃない」といわしめたほどで、確かにリゾート気分満点の「プールサイド」や「夜間飛行」など、今も決し…

CMソングとして使われたポップな13曲を収めたゴダイゴのアルバム。全曲英語ということもありますが、もうまるで洋楽そのもの。唯一、邦楽を雰囲気を感じさせるのはタケカワ・ユキヒデの「声質」のみで、これはボク自身が、物心ついた子どもの頃、「銀河…

ご存知、山下達郎1人アカペラ多重録音アルバム。「1」も「2」も大好きでしたが、この「3」にいたってはあまりの素晴らしさに、何度も何度も繰り返し聴き続けたものです。ドゥーワップやコーラス物が単純に好きだというのもありますが、カヴァー曲をカヴ…

ウィスパー・ボイスの達人、bice(ビーチェ)。その2枚目のアルバム。本人がプログラミングした打ち込み音と生楽器が程好くブレンドされたアレンジもさることながら、メロディが実に洋楽しているのには驚いてしまいます。センスが良すぎて下世話なところが…

波の音で始まり終わる、全編「クロスオーバー・イレブン」みたいな雰囲気のAORサウンドが心地いい女性シンガー・ソンングライターのアルバム。過ぎていく夏を惜しむ「September Tokyo Tower」なんて曲もあり、今の季節にはピッタリかも。 まぁ同じような…

詞や曲そのものの魅力は以前と同様ながら、歌声はますます力強さをまして、サウンドも質感がザラっとしていて、何だかとてもロックしている感じ。野心的な3rdアルバムで今後の展開がますます期待されていただけに、この後の活動休止が、ますます信じられな…

なんか最近、自分の中で「上田まり」のブームが完全にキテしまっていて、もう、それ以外の他の音楽は惰性で聴いてる感じ・・・とは少々大袈裟ながら、なんなのでしょうね。たぶん存在も含めて、なんだか自分の中の素養にあまりなかったタイプの女性SSWが…

あっという間に現れて忽然と消えてしまったシンガー・ソングライター。この2ndアルバムに収録された「遠くへ行こう」というボクの大好きな曲には、こんなフレーズがあります。「弱い人にだけ 帰る場所はあるから」。その帰る場所が上田まりの歌という人は、…

まさかとは思うけど、「Downtown Boy」は佐野元春の同曲のアンサーソングなんでしょうか。どちらもA面3曲目だし。元春は小学校の頃のボクのアイドルでしたが、ユーミンは「ユーミン・ブランド」を持っていた程度。この頃のユーミンは本当に「ブランド化」…

高校生の時「カップルズ」を聴いて、非ロック的な感性に目覚め、「ベリッシマ」でソウル的な感性に目覚め、「女王陛下〜」で映画やアートに目覚め・・・なんて書くと、まるでピチカート・ファイヴの洗礼をモロに受けたリスナー代表みたいですが、実際そうな…

いきなりですが、オフコースです。これは、オフコースの中で、一番「キリンジ度数」が高いアルバムだと思うんですが、シティポップとしても極上。落ち着いたアーバンな雰囲気漂うアレンジと、シンプルさゆえに、時代を感じさせない歌詞の普遍性も相まって、…

先ほどテレビで坂本龍一が今の日本の音楽状況について「日本人相手に視野が閉じた音楽ばかり」みたいな発言をしておりましたが、そんな後にコレを聴いて「これって、どう考えても日本人しか楽しめないよなぁ」などと思ったり。日本人の一年って、こんなに忙…

「エレキインストって歌のない歌謡曲とどう違うのよ?」と言われると、どう答えていいのかわかりません。窓口は広いけど奥も広いのがこういう音楽なんですよ。オチがわかっていてもついつい見入ってしまう懐かしのヒーロー者ドラマとか、古きよき西部劇にも…