progressive

プログレとは、どんな音楽ですが?と問われれば、ボクは「宮殿」でも「狂気」でもなく、この「こわれもの」を差し出します。もちろんイエスの代表作といえば、次の「危機」も大名盤ではありますが、あちらは完成度高すぎて、いきなり聴かせるのはもったいな…

キャラヴァンの良さというのは、その独特の「ゆるさ」にあるような気がします。常に緊張感が持続するイエスのような精密さとは違う、何かがボンヤリしながら、すべてが淡々と進んでいくようなサウンド。ギターもキーボードも、一切難しいことをしていないに…

こんなの、誰でもできそうな音楽だ、と思わせといて、なかなか他に類を見ないブライアン・イーノのアンビエント・ミュージック。例えば、その後に雨後の竹の子のように現れた安易にシンセを使って自然を表現するようなアンビエント音楽とは、決定的に何かが…

クリスチャン・ヴァンデが、ジョン・コルトレーンの死によって導かれるように結成したといわれる怪物バンド、マグマのデビュー作にして、いきなり2枚組。一応ジャズ・ロックということになってますが、後にザオ(ZAO)を結成するブラス隊をフィーチャー…

16ビートを細かく切り刻めば32ビートになるのは当然なんですが、それに更にリズムがくったり、くわなかったりを繰り返すと、もはや単にズレていたりズッコケているようにしか聴こえない・・・というバカバカしいまでに複雑化されたインストで勝負した日…

「アウトバーン」と「ヨーロッパ特急」に挟まれては、いささか人気のない「放射能」ですが、この暗く沈んでいくようなビートに支配された雰囲気は最高だと思ってます。クラフトワークがテクノの元祖うんぬんよりも、まず何よりドイツのバンドであるというこ…

クリス・ファーロウの熱すぎるボーカルが、痛快すぎて笑ってしまうわけなんですが、あんまり凄まじい演奏を聴いてしまった時の反応って、そんなものかもしれません。高校生の時には、アナログ盤を擦り切れるほど聴いて愛聴していた、このライブ・アルバム。…

フィンランドのウィグワムは、大好きなバンドの一つ。ジャジーなオルガンをフィーチャーしたプログレッシヴな展開もあるかと思えば、朴訥としたフォークっぽい曲もあったり。何しろ、バンド全体の音が、霧に包まれたようなボンヤリした雰囲気があります。こ…

ゴングはフランス経由のイギリスのバンド。リーダーのデヴィッド・アレンはソフト・マシーン黎明期のメンバーでしたが、デビュー前に脱退し、フランスでゴングを結成しました。ゴングの特徴であったサイケデリックで摩訶不思議な物語性とメンバーのジャジー…

かなりマイナーなグループではあるんで紹介はためらっていたものの、これはもうプログレッシヴ・チェンバー・ロックの大傑作!。マフィンズは、いわゆるカンタベリー系ジャズ・ロックに影響を受けたバンドのひとつとして結成されたアメリカのバンド。つまり…

クラシカル・ロックの典型的なサウンドでありながら、あまりにも「これでもか」というくらいに叙情的で泣きのメロディばかりのストリングスで盛り上げられると、それはそれで強烈な個性を感じさせてしまうものです。このアルバムの冒頭の3曲がそう。とにか…

Vertigoは70年代、英国ロックの名門レーベル。アナログ盤のレーベルの渦巻きマークは、ターンテーブルに乗せるとクルクルと眩暈が・・・といいたいところですが、CDでは見えないのが悲しいです。見えても、回転速すぎますし。これはCD3枚組のレーベル…

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルと、ミニマル・ミュージックで有名な現代音楽家、テリー・ライリーの共演盤。どんなアヴァンギャルドな音が流れてくるかと思いきや、驚くほど穏やかで、じんわりと体に効いてくるようなロック。ボーとぬ…

ジャケットからレーベルまで真っ黒けなジャーマン・ロックの伝説的バンドのセカンド。20年以上聴いてますが、いまだに飽きのこない恐るべき傑作。非常階段の「VIVA ANGEL」とジャケを並べてみましょう(「TAPES」ってのもあるな)。さらに黒づくしを再現し…

いくらAmon Duul分裂したからって、Amon Duul 2(セカンド)ってバンド名はないんじゃない?とツッコミを入れたくもなりますが、そのセカンドの方のサード・アルバム('71)がこれ(ややこしい)。CDは一枚だけどアナログ盤は2枚組で、後半はインプロというのも…

アモン・デュール(Amon Duul)はドイツを代表するサイケデリック・グループ。60年代末にコミューン生活をしながら集団即興演奏していたのですが、アルバム発表前に2つに分裂。一方は、より音楽的なグループ、アモン・デュール2(やっつけな名前だ)に発展…

Ash Ra Tempelの名盤('76)。とにかく1曲目の「Sunrain」に尽きます。メジャー9thの甘く切ないミニマルなキーボードリフに乗せて、シュコシュコとヌケの悪いリズムボックスが絡む、「元祖テクノ」みたいなサウンド。聴いてると、まるで天にでも昇っていくよ…

プログレに夢中だった青年期に、寝ても覚めてもジャーマン・ロックということがありました。今思えば、泥沼にも近いハマり具合でしたが、音楽的にも「泥」だけにドロドロした血糖値の高いものが多かったような。70年代ドイツ・ロックには、どうも若い血を…

「星の王子さま」を好きな人は、何度も何度も読み直していくうちに、自分なり解釈でストーリーを作り変えていくのでしょう。そんな、おとぎ話やファンタジーのような絵本にも近いものを、ボクはジェネシスの初期のアルバムに感じたりします。当時の邦題が「…

ペペ・マイナ(Pepe Maina)だけにマイナーな人(オヤジギャク)。本国イタリアでも有名ではないはず。というか、この彼の1st('77)、「ハープとフルートの歌」というタイトルでその昔、国内盤LPが出たこともあり、むしろ日本で一番有名な人かも。幻の2nd('79…

コンラッド・シュニッツラー(Conrad Schnitzler)の4曲入り12インチシングル('80)が、当時の未発表マテリアルを12曲追加した形でCD化されています。クラウス・シュルツェとならぶジャーマン・テクノの元祖にしてカリスマ。伝説的存在といってもいいで…

何気なくCSでやっていた音楽番組をみていたら、POLYSICSのハヤシ氏がいろんなCDショップを訪問するコーナーがありました。で、ディスク・ユニオン・プログレ館にて、「73年で、このジャケはヤバイぜ〜」と言って購入していたのが、このCMUの2ndアル…

「わけがわかんない」というのは、ほとんど否定的な意味合いで使われる常套句ですが、このFuture Shockの唯一のアルバム('77)は、その部分を思いっきり楽しんだ方が得かも。プログレ好きには、「One」('71)というアルバムで有名なCirkusがバックを担当してい…

アジテーション・フリー(Agitation Free)が来日すると知ってビックリしてるんです(まだやってたの?)。この、いつの間にか始まって、いつの間にか終わっているような抽象的なサウンド志向は、わからない人にはサッパリわからないんでしょうが、わかったか…

ブレインチケットは、ボクの知る限り3枚のアルバムを出しているドイツのバンドですが、これはファースト('71)。以後はB級プログレみたいになっていくんですが、これは思いっきりサイケ。それも、かなりヤバイ系。まぁ本人たちはディープ・パープルみたいな…

「九時半・ハエ(9.30 Fly)」という、わけわかんないUKバンドの唯一のアルバム('72)。ジャケットが、あまりにもまんまなんで笑っちゃいますが、よくプログレ系の本で紹介されるわりには、何のインフォメーションもなく、メンバーの詳細も不明。 ハードなの…

ロバート・ワイアットのファースト('70)。初めて聴いたのは高校生の時。テープスピードを変えているというワイアットならではのユーモラスなオープニング・ナンバーに、当時はレコードの回転数を間違えたかと思ってビックリしましたっけ。 これこそ「フリー…

宇宙服を着たゴリラがバナナを背負って笑っているという、意味不明なジャケのこのアーティストはPeggy's Legというアイルランドのロック・バンドです。この「Grinilla」('73)というアルバムは当時500枚しかプレスされなかったレア盤。ちょっと前にオーク…

アンソニー・フィリップス(Anthony Phillips)は、元ジェネシスのギタリスト。といっても、フィル・コリンズが加入して、プログレ〜ポップ時代の全盛期になる前に、とっとと脱退していた人。なんとも地味なポジションではあるんですが、むしろ、その控えめな…

「オールド・ロッテンハット」('85)は、ボクが中学生ぐらいのときに買ったレコードだけど、この頃はロバート・ワイアットのことも、ソフト・マシーンの元ドラマーだということも、何も知らなかったような気がします。今思えば、ここからカンタベリーの長い旅…