今回のクリスマス名曲セレクトは、スリー・ワイズ・メンの「サンクス・フォー・クリスマス」です。
といっても「誰?」という感じなのでしょうが、実はこれ、ブリティッシュ・ポップの有名バンド、XTCが1983年に出した変名シングルなのです。いや、今となっては、XTCのアウトテイクなどを集めた編集盤CD「Rag & Bone Buffet」にしっかり収録されているので、変名もへったくれもなく、正体バレバレなんですけどね。
XTCというと、「ひねくれポップ」という表現をよくされるバンドなんですが、この「サンクス・フォー・クリスマス」は、とても素直なフォーク・ロック風の優しい感じの曲。とはいえ、転調しまくったあげく、マイナー・コードとメジャー・コードが入り乱れるBメロの感じとか、さすがに一筋縄ではいかないXTCらしい曲づくりですね。
このシングル盤は、当時ボクが中学生の頃、地元だった仙台の「レコード・ギャラリー」という輸入盤専門店(今でもあるのかな?)で買いました。XTCのシングル盤のコーナーにあったので、店員に「これってXTCなんですか?」って質問したら「たぶんそうだよ。聴いてみる?」って言われて、お店のレコード・プレーヤーで流してくれました。曲が流れた瞬間、まぎれもなくXTCだと確信したと同時に、あまりの曲の素晴らしさに、本当に全身に鳥肌がたちました。それほど自分の好みにマッチした最高のクリスマス・ソングでしたね。

今ではXTCのCDにはボーナス・トラックでシングルB面曲が入っていますが、昔は、シングルB面の曲を聴くには、マメにシングルを買うしかなかったのです。ボクは、その頃(今でもだが)XTCに心底夢中だったので、その「レコード・ギャラリー」でシコシコと彼らのシングルを買っていました。そんな頃に、このスリー・ワイズ・メンのシングルも買ったのです。たしか800円ぐらいでしたけど、今でプレミアがついて8千円になっちゃってるのかも。そういえば、そのお店のオッサンが「最近XTCよく売れるんだよね〜」って言ってたのを憶えていますが、売れるも何も、ボクがその店でXTC全部買ってるんだってば!(笑)
ちなみに、このシングルのB面曲「カウントダウン・トゥ・クリスマス・パーティ・タイム」は、いかにも80年代風陽気なダンス系の音楽で、普段のXTCなら絶対にやらないタイプの曲調なのが、これまた貴重。この頃のXTCは無敵でしたね。