連日YMOネタばかりになってます。他のアーティストのアルバムを取り上げて気分転換しようとも思いましたが、これを逃すと永遠に取り上げる機会もなくなりそうですし、やはり「過去を総括」する意味でも、影響を受けたYMOを押さえておかなければ気持ちが治まらない(何の?)というわけで、半ば意固地になってます(笑)大して反応もないんですけどね・・・。

というわけで今日も高橋ユキヒロのソロです。「ニウロマンティック」('81)。前作「音楽殺人」がバンド・サウンド的だったのに対して、こちらは完全にテクノ・サウンドに染まっています。前作との違いは、おそらくYMOでいうところの「ソリッド・ステイト・サバイバー」と「BGM」ぐらいの違いがありますね。ただ、テクノになったといっても、本人がドラムを叩いていることもあって、ビートそのものはズシっと重いです。ベース・ラインやキーボードのリフが、いかにも打ち込みっぽい16ビートの単純なシークエンス・フレーズで固められているのが、テクノ的という印象につながるんでしょうね。

「音楽殺人」は8ビートが多かったですが、こちらは16ビートのミディアム・テンポの曲が多いので、グッと大人になった印象がありますね。歌詞は全部英語ということもあって音の質感はまるで洋楽。というか、当時の英米のニュー・ウェイヴ勢と比べてても、音のクオリティの高さはダントツですね。さすがテクノ大国日本という感じがします。ただ間奏のソロ・パートは普通にギターやサックスのソロなので、ガチガチにテクノというコンセプトを打ち立てたYMOのアルバムよりもラフな印象を残してくれます。というか、やはりポップなんですね。このアルバムを聴くとYMOの「BGM」や「テクノデリック」における高橋ユキヒロ氏の役割がより明確に伝わってくるようです。

ロキシー・ミュージックからアンディ・マッケイとフィル・マンザネラ、さらにプロデューサーとして有名なNew Musikのトニー・マンスフィールドが参加してます。このあたりの人選も含めて、実にウマイなぁと思いますね。そういえばこの頃のYMO及び高橋ユキヒロの特徴としてベース・ラインの面白さが聴き所ですね。ラインといっても、ただルート音を「ボボボ・・」と16ビートで連打するだけなんですが、人力だと弾くのが難しいこのベース・パターンがテクノという音楽には合うんですよ。さらにはコードを押さえる和音も16連打しており、このあたりの繰り返しっぽいミニマルなフレーズというか反復効果が、とにかく気持ちよくなってくるのです。やっぱりこれも名盤としか言いようがない。さすが。

●本日の更新
「ショック太郎のマテリアル・ワールド」でモーマスを取り上げました。ところでモーマスさん。普通にmixiにいましたね(笑)
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=168425&log=20050308