細野晴臣がYENレーベルに続いて設立したノンスタンダード・レーベルの第一弾12インチシングル。このレーベルは2つの趣旨から成り立ってます。1つはポスト・テクノ・ポップの「ノンスタンダード」。もう1つはポップスすらも越えた実験音楽を目指した「モナド」。

この12インチシングルは、A面が「ノンスタンダード」、B面が「モナド」と、別々に違うレーベル・デザインが振り分けられていて、この新しいレーベルの趣旨をわかりやすく伝えようとした、いわばお披露目盤になってます。ちなみに、アナログ盤には「GLOBULE」と題された176ページの本がついており、レーベル・キャラクターともいうべき緑色の生物(ジャケで細野氏の手に乗っている)にまつわる様々な話を、新鋭のイラストレイターや漫画家が、それぞれイメージ豊かに描いている。カラーページも多く、実に面白いので、今後もこの形で再発されることを期待したいところ。

さて、音の方はA面はテクノ・ポップの王道を行くような可愛らしい曲で、サンプリングやリズムの使い方に、80年代的ヒップホップの影響大。途中で出てくる「ヤムヤム」という鳴き声は、映画「グレムリン」から。なんでも大瀧詠一の息子達が、当時大変気に入っていたということで、テクノの子供は相性がいいということがまたしても証明されたわけです。

B面は、キーボードも前で無心で打ち込んだようなドラムやベースもないポップスとはいいがたいサウンドながら、どこかクラシック音楽のような気品さがあって、単に難解なだけでは終わらせない氏のサービス・センスを感じますね。