●FURUさん(http://www.bb.din.or.jp/~furumoon/

最近、巷で「フィンガー・スナッピン・ミュージック」なるジャンル名を耳にします。要するにウキウキするようなグット・タイム・ミュージックで、今まで見落とされていた良質なイージーリスニング・ミュージックを見直してみようというわけなんですが、今回のFURUさんのセレクトも、どこかしらそんなところがあります。12曲入ってトータルタイムが29分というのも素晴らしすぎます。アメリカに星の数ほど存在していたコーラス・グループのスウィング系カヴァーばかりが次から次へと流れて、あっという間にセレクトが終わってしまいます。とても保守的で、およそロックとは程遠い音楽ながら、なぜかしら今の耳で聴くと、徹底してロックを無視したところに「ラウンジ以後」から抜け出す事のできない毒気すらも感じ取ってしまうのも不思議。それはもしかしたら、FURUさんが、ちゃんと「ロック」的なバックグラウンドも通過した上で選曲されているからでしょう。ガス抜きの作用としてテンプテーションズのような黒っぽい音を挟んでいるところも、ちゃんと考えられてますね。実に楽しいセレクトでした。

●junpeeさん(http://www.bb.din.or.jp/~furumoon/

1曲目がストレートにビートルズの「ヒア・ゼア・アンド・エヴリウェア」でした。美しいコーラスにうっとしていると、2曲目以後はアコースティックの涼しげなカッティングを生かした実に爽やかでグルーヴィーな曲のオンパレードでした。いつもよりもソウル系はグッと押さえて、今回は白人グループ系が多いのが意外でしたが、ちゃんと16ビート系を通過した「黒人音楽が好きな白人モノ」という感じのアーティストが多いというのが、なかなかに洒落てます。そして何といってもカラパナ、マッキー・フェアリー、そして近年再評価されたテンダー・リーフといった「ハワイ系」バンドの収録が、また一段と爽やか度をアップしてくれますね。この選曲で、一気に夏まで乗り切れそうです。カラパナなんて70年代の日本では今のサザンぐらいの人気がサーファー達の間であったそうですが、今ではクラブ系リスナーによって再評価されているというのも、すごく時代の流れを感じます。とにかく全編アコースティック・ギターの音が心地好い素敵なセレクトでした。

(写真)マッキー・フェアリー・バンド / マッキー・フェアリー・バンド
夜景ジャケにハズレなし。どこか緩いソウル風味が、いかにもハワイ風。詳しくはこちら↓
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=168425&log=20031006