アリーワ・ラヴァーズ・ショウケース

bluemarble2005-06-21

何ともスウィートなラヴァーズ・ロックな楽曲にクールなダブ。マッド・プロフェッサーという名エンジニアが中心となって作られたレゲエのレーベル「アリーワ」の12インチ・シングルばかりを集めたオムニバスが、この「アリーワ・ショウケース」('92)です。全8曲と曲数は少ないもののボリュームはたっぷり。ただ、どの曲も前半「歌モノ」後半「ダブ」という通常の倍の長さの楽曲群なので、まったくレゲエに興味が無いという人には単にダラダラしているだけに聴こえる内容かもしれません。が、このダラダラ感が最高なのですよ。ハマるとね。これから暑い夏に向けて、やっぱりスウィートでメロディアスな打ち込みレゲエ&ダブという気持ちよさは、体の疲れを癒してくれるだけでなく、部屋の温度も5度ぐらいクールダウンしてきそう。どうでもいいですが、こういうダブ・サウンドを聴いているとフィッシュマンズヤン富田を思い出してしまうのはボクだけでしょうか。

しかし、おそらくこの日記を見て「おや?」と思った人のほとんどは、このジャケでしょう。そうです。まちがいなくビーチ・ボーイズの未発表アルバム「スマイル」のジャケ・イラストをまんま使ってますね。ちなみにこのアリーワのオムニバスは日本編集盤ですが、ちゃんとキャピトルに許可を取ったのでしょうか(おそらく取ってない・・・)「スマイル」といえば、遂にブライアン・ウィルソンのソロとして新録音され「完成」されたのは記憶に新しいですが、内容は素晴らしいのにジャケがショボかったですねぇ〜。まぁ、このオリジナル・スマイル・ジャケもショボイといえばショボイんですが、味ってヤツでしょうか。単に慣れでしょうか。いいもんです。

え〜、話がアリーワから脱線しましたね。そうそう。マッド・プロフェッサーといえばマッシヴ・アタックのセカンドをまるまるダブした恐怖の共演盤もありますが、さすがに本家アリーワでは、あそこまでドロドロしてません。いわゆるスイート・ソウルとか好きな人や、ヘタしたら宇多田ヒカルとかMISIAとか好きな女子高生でさえ「好き」と言ってくれそうなほどメロディアスな楽曲群だったりしますからね。日本でもジャネット・ケイとかヒットしたという経緯もありますし、結構OLとかにも人気なんじゃないでしょうか、こういうラヴァーズ・ロックって。

ちなみにピチカート・ファイヴが「ラヴァーズ・ロック」という曲を昔シングルで発表しましたが、このアリーワのレゲエを見事に再現(というかパクリ)してましたね。