リアルタイム派やAOR好きな人には有名なラリー・リーの「ロンリー・フリーウェイ」を紙ジャケで買ってみたりしました。1982年作品で、日本でも「なんとなくクリスタル系」といいますか、AORブームでもてはやされた一枚らしいですね。でも売れたのは日本だけで、本国アメリカでは、それほどでもなかったようです。たしかにバーゲン・コーナーでよくみかけるこのイラストのジャケットは印象的。でも、これ日本で勝手に差し替えた鈴木英人によるイラストなのは一目瞭然。オリジナル盤は、なんの変哲も無いベレー帽をかぶった、さえないヒゲおやじの地味な写真です。まぁ、こういうことは、AORブームだったころの日本では日常茶飯事だったわけです。しかし、この人のイラストを観ると、ボクは山下達郎の「For You」より、むしろ雑誌「FMステーション」を思い出しますね。

「FMステーション」を読んでたボクの中学生時代というのは、NHK−FMでよくやってた「クロスオーバー・イレブン」なんかをよく聴いてました。何しろ雑誌にちゃんと当日流れる曲目が載っているばかりか、曲そのものを最後までフルで流してくれるので(NHKの場合は、たいていそうでした)常に90分テープでエアチェックしたりして。その後、中古屋でアジムスというブラジルのフュージョン・グループのレコードを買った時、いきなり「クロスオーバー・イレブン」のオープニングで使われたテーマ曲が部屋に流れてビックリしたとか、そんな思い出もあります。

クロスオーバー・イレブン」は、曲と曲の間に、物語風の男性のナレーションが入るのですが、このナレーションの人が文章の最後をゆっくりしゃべった時がポイントで、そのタイミングでカセットの録音ボタンをガチャっといくわけです。最後まで曲目紹介しないので、インスト曲ばかりだと、何曲目なのかわからなくなったりね。でもフュージョンとかAORとは、今でもわりと抵抗ないのは、クロスオーバー・イレブンに鍛えられたせいかな?でも、普通のヒットしてる洋楽ロックもよく流れてましたよ。

あ、肝心のラリー・リーさんの話を全然しませんでした(笑)まぁ、さわやかで気持ちいい産業ポップです。ウケるのもよくわかります。休日のドライブにはピッタリですね。オザーク・マウンテン・デアヴィルズというカントリー・ロック・バンドのメンバーの人らしいのですが、まちがってもカントリーな内容ではありません。あしからず。