プラチナKITは、テント・レーベルのオーディションから、その後ムーンライダーズのコーラスなどに参加したテッチーこと本間哲子と、水族館レコードあたりでもチラチラ名前を見かけたポータブル・ロック最初期の結成者、金津ヒロシによるユニットです。1988年に「はじまりはEVERYDAY」という曲でデビューしたのですが、ボクにとって88年は、この曲に尽きるってくらいの名曲。あとは、同じ88年デビュー組、フェアチャイルドの「おまかせピタゴラス」ぐらいか。って、こんな話、当時の音楽雑誌「テッチー」や「POP IND’S」読者でもないと通じない話ですね。関係ないけど「Shi-Shonenの新ボーカリストにYOUが決定!」みたいな記事も載ってたんだぞ〜!戸田誠司と福原まりとYOUが並ぶという構図が今となれば貴重です。って、話を戻します。

プロデュースが岡田徹というので、なるほどPSY・Sっぽいテクノ・サウンドかと思ったら、もっと垢抜けたアイドル歌謡みたいな音でした。さすがにサウンド・プロダクションは時代を感じさせますが(特にドラム・マシーンの音)、曲はどれもしっかりしていて、やはり曲がよければ、ちゃんと今でも聴けるんです。それは、当時出ていたどうしようもないC級アイドル・ポップスのCD比べれば一目瞭然・・・いや、一聴瞭然か。本間哲子のボーカルは、ハキハキとした元気のいい感じで、シャキシャキしたデジタル・サウンドにもマッチしてます。その後、もう一枚アルバムが出ましたが、あんまり売れず、解散してしまいました。残念ですね。男女2人組ユニットって、特に日本では多いんですが、最近だとソウル系とかジャズ〜ブラジル系ばっかりですよねぇ、何故か。個人的には、こういう軟弱ポップ系(失礼)の方が好きなんですが。

ちなみに、93年に、渚十吾氏のレーベル「ハッピーアワー」から本間哲子のソロアルバム「ELBOW GIRL」が出てましたね。ついでに、ムーンライダーズをボサノバでカヴァーしたオムニバス・アルバムのプロデューサーが金津ヒロシでした。ちなみにアニメやCM音楽界では有名な岩城由美の「愛情の天才」('93)というアルバムがあるんですが、アルバム全曲、金津ヒロシがプロデュースしてました。プラチナも含めて、今度バーゲンCD棚をチェックしましょう。

ちなみに、このデビュー・アルバム「プラチナ・パブリック」で使ってるシンセの音が、ボクもよく使ってるKORG系のシンセの音にソックリです。っていうか、プリセット音そのまんまじゃん!まるで15年前の存在するわけもない幻のblue marbleのアルバムでも聴いているよう(笑)