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寒いんで、夏っぽい1枚を。坂本龍一&カクトウギ・セッションの「サマー・ナーヴス」('79)です。以前、YMO関係のアルバムをドカっとまとめてレビューした頃、これだけ取り上げるの忘れてました。要するにテクノっぽくないフュージョンなわけでして。でも本人のボーカルはヴォコーダーを使ったりしてて、よくわからないです。これがテクノ魂なのか、単にボーカルに自信がないのか。まぁ、上り調子だった頃の教授なわけでして、内容は悪かろうはずがないんですが。全体的にレゲエの影響が強いですね。
1曲目に入ってるタイトル曲が、すごくポップで好きです。この爽やかなイントロを聴くだけで実に夏気分に浸れるわけですが、教授のボーカルがなぁ・・・(笑)これ高橋幸宏かブレッド&バターあたりに歌ってもらいたかったなぁ。でも名曲です。YMOよりも、ユキヒロの「サラヴァ!」やブレバタの「レイト・レイト・サマー」あたりが好きなシティ・ポップ好きな人に、むしろアピールするような感じです。
「ユー・アー・フレンド・トゥ・ミー」はシックのカヴァー。矢野顕子作の「スリープ・オン・マイ・ベイビー」は、その後「愛がなくちゃね」でも取り上げてますが、こっちのヴァージョンの方が落ち着いた感じです。「カクトウギのテーマ」は、ロッキーのテーマとヴァン・マッコイの「ハッスル」が組み合わさったようなディスコ・レゲエ。
「ゴナ・ゴー・トゥ・アイ・コロニー」はダブっぽい感じのモロにレゲエ調。「タイム・トリップ」は安井かずみ作詞による唯一の日本語曲ですが、教授のボコーダー使用のせいで、いったい何を歌っているのやら、サッパリです(笑)「スウィート・イリュージョン」は、まるでカシオペアにそっくりなフュージョン。余談ですが、80年代半ばぐらいまでのカシオペアは、キライじゃありませんでした。
ボクが一番好きなのは、やっぱりラストに入ってる細野晴臣作曲の「ニューロニアン・ネットワーク」で、YMOのファーストに入ってる「シムーン」っぽい感じがグッド。教授のラウンジっぽい生ピアノと、シンセ・ドラムのスペイシーな音が組み合わさって、まるでの近未来のムード音楽を聴いているようで、最高です。blue marbleとしては、やっぱりこんな音が理想だなぁ。