ジャケットに写ってるのが冴えないイモ姉ちゃん(失礼)なので、あんまり購買欲をそそられる類のアルバムではないという人も多いかと思われますが、はっきりいってこれは大傑作です。ボニー・レイットのセカンド「ギヴ・イット・アップ」('72)は、ザ・バンドを別格にすれば、ボクはウッドストック系と呼ばれる一連のアルバムの中でも、一番好きかもしれない。といいながら、何が「ウッドストック系」なのか、よくわかってないんですが(笑)


スライド・ギターがどうしたとか、リンダ・ロンシュタットがカヴァーしたエリック・カズの曲がどうしたとか、そういうことは、もうこの際、どうでもいいんです。全10曲、いい曲、いい歌、いいアレンジ。単に田舎っぽけりゃ、それでいいんでしょみたいなB級アメリカン・ロック(それはそれでいいんですが)みたいなのとは、まるで違うというか。泥臭さと洗練さのバランスも絶妙です。


リマスターCDで聴くと、「楽器の鳴り」みたいなものが最高に気持ちいい。1曲目の弾むようなビートから、柔らかいホーンがフワっと浮き出てくる瞬間とか。R&Bクラシックスの「I Know」の、何ともファンキーなアンサンブルまで、とにかく素晴らしい。ちなみにファーストもリマスターCDで買いましたが、こちらはCDで聴いても演奏モコモコで地味な印象・・・。というわけで、やっぱりこのセカンドがマスト。