リアルタイムのロック・ファンには結構必需品だったELPも、今聴いてたらバカにされそうだなぁ(笑)当時なら、それなりに女の子にもモテた音楽だったのに。70年代前半で世間から姿を消していたら伝説のバンドになれたかもしれない・・・なんていったらファンに怒られそうですが。ともあれ、キース・エマーソンがロックが生んだ最高のキーボード奏者というボクの見解に揺らぎはないのですが。ハッタリも多いけど、この人、本当に上手い。


展覧会の絵」('72)は小学校の時に初めて買った「プログレ」といえるレコードです。今となっては、もう役目を果たしたような前時代的な音楽ではありますが、「クラシックのロック化」という失敗することも多いジャンルの中では、頭ひとつ抜きん出た印象があります。ライブ盤ならではの熱気もあって、特にアナログ盤のB面は、なかなか盛り上がってよろしいですわ。


今もって70年代的なテイストを取り入れたロック・バンドは多いものの、ELP的なバンドというのは、なかなかお目にかかれません。シンセサイザーがMIDIでコントロールされた今となっては、この遊園地のアトラクションのようなドタバタ感は、なかなか再現できそうにもないのでしょう。というか、誰も再現しようとも思わない、というか。


当時のELPが持っていた存在感というのは、もしかしたら今でいうダフト・パンクケミカル・ブラザーズあたりに近いのかもしれません。「ぶよ〜ん」というアナログ・シンセの音は、エレキ・ギターの「ギュイーン」という音同様、いつの時代でも若い人の血を燃え上がらせる何かがあるのでしょうね。