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これはUK版ジョニ・ミッチェルの「ブルー」か。はたまた女性版ニック・ドレイクか。たった2枚のアルバムを残して、忽然とシーンから消えてしまった幻のシンガー・ソングライター、シェラ・マクドナルド(Shelagh McDonald)のセカンド('71)です。なかなかエキゾチックで不思議な魅力のルックスですが、何よりソングライターとして超一流。一曲だけトラッドで、他の曲は全部彼女のオリジナルですが、なんとこの時点で、まだ21歳だったというから驚き。
日本で紙ジャケCD化されているので、シーンから引退した彼女のその後について解説などで知ろうと思ったのですが、今もって消息不明の人らしい。しかし、そんな人のリイシューとかって、ちゃんと彼女に印税とか入るんでしょうか・・・って、余計な心配までしてしまいますよね。女性の人って環境の変化に敏感だから、どんなに才能があるミュージシャンでも、結婚とかしちゃうと、あっさり簡単にそっちの生活を優先させちゃったりする人も多いですからねぇ。
ギターもピアノも弾く才女ですが、特にピアノで歌う曲の内省的で祈るような落ち着いたトーンなど、とても二十歳そこそこの女性とは思えません。声の感じはサンディ・デニーを軽くした感じのいかにも英国っぽい響きながら、彼女の作る曲はどこかアメリカを向いているようです。特に聴く度に震えがくるような「オデッセイ」は英国SSWの最高峰といえるのではないでしょうか。この曲のリチャード・トンプソンのギターといったらもう!