ビートルズ時代のジョージ・ハリスンで好きな曲は?」と聞かれて「そうですねぇ、ジ・インナー・ライトとかピッギーズとか。あとブルー・ジェイ・ウェイなんかも好きですねぇ。」などと普通に答えてしまうような人間(ボクだ)なら大好きなんでしょうね、この「不思議の壁」('68)。ジョージが音楽を手がけた「ワンダーウォール」という同名映画サントラですが、こんなケッタイな音楽を平気でリリースするアップルというレーベルは懐が深いというか、テキトーといいますか。


このアルバム、実は小学生の時から我が家にあったレコードで、買った記憶もないんですが、多分当時「東芝EMI」で働いていた親戚のオジサン(よくサンプル盤をくれた)からもらったのでしょう。別に難解とか、そういうことも何も考えないで普通に愛聴していたんですが、そのおかげで、今でもインクリディブル・ストリング・バンドだの、サード・イヤー・バンドだの、そういうのも特に抵抗なく聴ける体質になってしまったようです。


メロトロン、シタール、タブラ、チェンバロなどなど、エスニックで即興的なインストのオンパレードながら、どこか、あの時代のスウィンギン・ロンドンの香りがプンプンしてきます。コラージュっぽい曲なんて、まんま「リボリューションNo.9」だし。映画は、大学の頃、深夜放送のテレビで偶然観ました(その後ビデオ化)。リンゴ主演の「キャンディ」や「マジック・クリスチャン」同様、ほんとくだらない映画でした(笑)もちろんホメ言葉ですけど。