ティカウィンダ、ヴァルカンズ・ハマーに続くUKトラッド特集第3段はスプリガンズ・オブ・トルガス(Spriguns of Tolgus)の「Jack With A Feather」('75)です。実はこの3アーティストの流れは、「英国フォーク・ロックの迷宮/ラビリンス」というUKフォークの大辞典ともいうべきカタログで紹介されていた順番どおりです。まぁ、今気がついた偶然とはいえ、芸がないなぁ、自分。


さて、このバンドですが、以前紹介したマンディ・モートン率いるスプリガンズの前身にあたるグループで、後にデッカのメジャーからリリースするキッカケにもなった彼らの自主制作盤です。というわけでプレス数の少なさも手伝って、もはやオリジナルはメガ・レア盤といってもいい幻の作品。しかし、今ではしっかりCDで聴けます。なかなかナイスなメンバーのコスプレ写真は、できればLPサイズで観たかったけれど。


と、まぁ肝心の音楽そっちのけでレアだの何だのと、そういう事ばかり話題になるというのもプライヴェート・プレスのトラッド・フォークならではの悲しい性ですな。だって内容は、ようするに「トラッド」ですから。正直ティカウィンダほどの切れ味はないけれど、やはりメジャーに行くだけあって確かな演奏力はホンモノ。マンディは歌唱力の存在感も、この時点でバッチリです。しかしA−2は元々トラッドとはいえ、ペンタングルが先にやってるんで彼らのカヴァー曲に聴こえてしまうのは仕方がないか・・・。