英国というのは、意外にもスティーリー・ダンに影響を受けたようなバンドが多いんですが、このブリス・バンドなんかもそう。といって、「エイジャ」や「ガウチョ」の頃のダンではなく、初期の「キャント・バイ・ア・スリル」あたりの、まだ多少イナたいバンドだったころのサウンドという感じです。


このデビュー作('78)は、さらにドゥービー・ブラザーズのジェフ・バクスターがプロデュースをしていて、そういう雰囲気もあります。ボーカルの感じはフェイゲン風のヒネた甲高い声ですが、そんなわけでスーパー・トランプにも近いかもしれません。こっちは全然売れなかったようですが・・・。


「それってAORでしょ?」といわれればそれまでなんですが、全曲を書いてるポール・ブリスの才能はなかなかで、どんなにファンキーだったり視点がアメリカを向いていても、サウンド全体に独特に湿り気があるのは、やはり英国のバンドのなせる業かな。カフェ・ジャックスあたりが好きなモダン・ポップのファンも是非。