やばい。これは超名盤。以前日記で紹介したIthacaの前身グループかぁ、ぐらいの軽い気持ちで手に入れたんですが、この儚くも淡々と雰囲気は何なんだろう。胸が切なくてたまらなくなります。というわけでAgincourt(アジャンクールって読むらしい)の「Fly Away」('70)です。


Ithaca同様、いかにも自主制作らしいヘタウマなイラストからしてそそられますが、英フォークのマニアの間では昔から評判で、CDにもなってます。ただし当然音はモコモコ。演奏ヨレヨレ。個性やアクのすべてを抜いたようなぶっきらぼうサウンドなのに、なんとも可愛らしいポップな感じ。原盤は2〜3枚しかないらしい。レア盤どころの騒ぎじゃないですね。


結局IthacaもAgincourtも、わからない人には一生わからないようなヘタウマ・フォーク・ロックなんですが、幼い頃観た古い映画の1シーンが、ある日突然何かの風景とともに甦るような甘い衝撃をボクは受けました。お昼のメロドラマで流れるような、どうでもいいようなインストの曲でさえ泣きたくなるほどいいんだから。