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英国スワンプの大傑作であるブリン・ハワース(Bryn Haworth)のセカンド('75)。グリース・バンド、ココモ、そしてフェアポート・コンヴェンションといった実力派メンバーをバックに従えたサウンドは、まさに適材適所。どの瞬間、どの場面を取ってみても理想的な英国ロックの極みが聴けます。
スワンプといっても米国のそれほどドロドロ、ジメジメにならずに軽く洗練されています。メロディアスなのに下世話じゃない。まろやかなのに渋い。こういう、いい意味での中庸さこそ、実はこのアルバムの魅力だったりします。
もしも、これ以上キャッチーだったりポップだったりしたら、それなりに売れたアルバムかもしれませんが、そうしなかった奥ゆかしさ。これこそが、このアルバムの何ともいえない味わいなのですよ。エリック・クラプトンやジョージ・ハリスンも当時「やられた!」と思ったかもね。