今もって謎に包まれた英国SSW、ロジャー・モリス(Roger Morris)の唯一のアルバム('72)。まさに秋にピッタリの紅葉からの木洩れ日に佇むジャケ写真が素敵ですが、中味も極上。何となく「名盤探検隊」向きなUS志向のサウンドながら、演奏も歌も実に繊細。大愛聴盤なのです。


まぁ「ザ・バンドじゃん」といわれればそれまでなんです。試しにザ・バンドをひさびさに聴き直したら、本物らしい重厚感に圧倒されましたもん(笑)ザ・バンドというより、印象としてはジョン・サイモンのファーストかなぁ。まぁ、それよりも線が細い。ボーカルも奥ゆかしい。そこが好きなんですが。


そういう意味で、このロジャーさんは実に小粒なSSW。しかし小粒なものに妙に愛着が湧いてしまうという時もあるんですよ。しかし天下のEMIにしてマスターテープ消失という驚愕の事実はなんとかならないもんでしょうか。おかげでオリジナルUK盤LPの値段がとんでもないことに・・・。