トラッド風味のロックではなくて、ロック風味のトラッド。それってどう違うのと言われても困ってしまうんですが、そんなミスター・フォックス(Mr.Fox)のセカンド('71)です。見開きジャケのイラストが、とても素敵。


実はトラッドではなく、それっぽいオリジナル曲なんですが、遅れてきたサイケ風味といいますか、結構ドタバタとしたドラムやら歪んだベースやギター、果てはドローン効果抜群のオルガンなど、古くからフォーク系よりプログレ系の人たちに評価が高かったのも頷けるサウンドです。


中心になるのはボブ&キャロル・ペグ夫妻。奥さんの方はわりと可愛らしい声ですが、旦那の声がイナたいトラッド声。泥臭いのか洗練されているのか。派手なのか地味なのか。このどっちともつかないサウンドに評価が分かれそうですが、謎めいた雰囲気はとにかく抜群。