とぼけてるのか、何だかよくわからないジャケットですが、とりあえず英国はシナンセシアという3人組の唯一のアルバムです('69)。ジャケの字体にサイケの名残を感じますが、中味もそんな感じで「モヤモヤ」「ゴソゴソ」「ベロンベロン」という感じの「アングラ」なフォーク・サウンドが続きます。


サックスとヴィブラフォンが、いかにも妖しい雰囲気。どんどん内へ内への沈み込むようなサウンドにもかかわらず、暗いというよりは、妙にすっとぼけていてユーモラス。強引にジャジーといえないくもないけど、まちがってもジャズではないです(笑)


プロデュースは一応サンディ・ロバートソンなんですが、彼はいったい何をしていたのでしょう。「しょうがねえな、こいつら」という感じで野放し状態。ともあれ、余計な事を一切しないで、ほとんど3人だけの演奏で全編通したのは立派。いつ聴いても「おいでおいで」と聴き手を深い森へと誘ってくるような英フォークの怪盤。