勝手にレビュー#11(秋のなごみ)ankoroさん


1.ラルゲット~「ピアノ協奏曲第2番 第2楽章」より/ドン・バイロン
2.クラリネットソナタ第1番ヘ短調op.120−1〜第3楽章/デムス(イエルク), ウラッハ(レオポルト)
3.Love Me /Stephan Seva,Didier Desbois,Oliver Lancelot
4.I'm Getting Sentimental Over You/Tommy Dorsey & His Orchestra
5.イスファハーン/デューク・エリントン
6.トゥ・ユー/デューク・エリントン・オーケストラ&カウント・ベイシー・オーケストラ
7.リル・ダーリン/カウント・ベイシー・オーケストラ
8.ブルー・アンド・センチメンタル/カウント・ベイシー&ミルス・ブラザーズ
9.チェリー/ミルス・ブラザース&ルイ・アームストロング
10.ア・フォギー・デイ/ルイ・アームストロングエラ・フィッツジェラルド
11.ア・フォギー・デイ/エラ・フィッツジェラルドジョー・パス
12.ア・フォギー・デイ/ジョー・パス


ankoroさんのセレクトは、なかなか画期的なアプローチだと思いました。


同じアーティストや同じの曲を、平気で選んでしまうという確信犯的な「反則技」もそうなんですが、1曲1曲を次々に紹介していくのではなく、前の曲が次の曲へと変わる時、それを気づかせないほどにスムーズなのが見事なのです。事実、(1)と(2)が「いつどこで」チェンジしたのか、何度聴いてもわからないほどに。クラシカルなクラリネットの小品2曲に続いて、「ここから幕開け」という感じのライブ(3)で、本題のジャズ路線が始まります。となると(1)と(2)のクラシックは、ライブ本番前の会場BGMみたいな感じにも聴こえます。


(4)(5)(6)(7)のビッグ・バンドの連続技も、普通なら飽きさせないように、いろいろなタイプのリズムや曲を集めるんですが、あえて似たテイストのゆるいテンポの曲を連続させることで、逆に聴いている方の耳に、その微妙な肌触りの違いをダイレクトに感じとることができるような仕組みになっています。さらに(5)以降の後半が、エリントン〜ベイシー〜ミルス兄弟〜ルイ〜エラ〜ジョー・パスと、曲をまたいでバトン・リレーするかのように流れていくので、まるで、このジャズ界の巨匠達が、同じ日、同じ時間帯にステージに立って演奏しているかのように錯覚してしまいます。(10)(11)(12)が、3曲も同じ曲というのも後で知りました・・・。


ある深夜のバーで、小粋なジャズをバックに、ひさびさに懐かしい友人達に次々と会ったんだけど、家に帰ってから実はみんな、同じ学校の同級生だったと後になって気がついて驚いた・・・・と、まるでそんな気分のセレクトです。


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