カレイドスコープ(Kaleidoscope)の2nd('69)は、キーフを思わせる幻想的なジャケも素晴らしいんですが、シド・バレット在籍時のピンク・フロイドを思わせるサウンドの方も聴きごたえ充分で、当時の英ロックの混沌としたシーンのドキュメントとしては、最高のサンプルでしょう。


シンプルなフォークっぽいものから、オーケストラをふんだんに使ったポップなものまで、けっこうとっちらかった内容ですが、安易にブルースっぽさに逃げないポップさと、要所要所で決め込んでくるサイケなエフェクトが、けっこう気合が入っていています。サイケ過ぎて、遂にグチャグチャになってしまうラスト曲も、あの時代らしい手の込んだもの。


ただ決定的な個性に欠けていたのが致命傷だったのでしょう。おかげでオリジナル盤は、今ではメガトン級のレアアイテムになってしまいました。もともとUKサイケ系のオムニバス・アルバムなどでは有名なバンドでしたから、個人的には昔から知ってる曲もあって単純に懐かしいなぁ、とか思ったり。