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カレイドスコープの発展系が、このFairfield Parlourというバンド('70)。サイケっぽさはほとんどなく、フェアポート・コンヴェンションに似せようという、しょうもない理由でつけられたバンド名通りのフォーク・ロックなサウンドにシフトチェンジしています。
レーベルがヴァーティゴだとか、メロトロンが入ってるとかで、何故かプログレ・コーナーに混じっているアルバムなんですが、中身の方は驚くほど屈託のないフォーク・ロック。トラッド色は皆無で、むしろサイケ以前のマージービートのような甘いメロディが印象的です。
とにかく地味過ぎて、ぼんやりした印象のアルバムなんで、一度は棚の奥にひっこめたままでしたが、ひさしぶりに聴くとすごくいい。ビートルズ的ともいわれるサウンドですが、ジョンでもポールでもなくジョージという感じ。この何ともいえない奥ゆかしさは、ジャケット・デザインにもよく表われています。