サンディ・ハーヴィッツ(Sandy Hurvitz)名義では唯一の作品になる本作('67)ですが、その後のエスラ・モホーク(Essra Mohawk)で有名な女性SSWです。ジャケに映るフランク・ザッパに誘われ初期マザーズにも参加していた才女。まだ10代の頃のアルバムで、裏ジャケの彼女のポートレートは、高校生のようにあどけない。


諸事情により、アーティストの本位とは無関係に、ピアノ弾き語りのデモっぽいテイクがそのまま流出してしまったようなアルバムなのですが、それがかえって思わぬ効果を生んでいるようです。基本的にはローラ・ニーロあたりに通じるドラマチックな泣きの曲調ながら、なんともいえないカルトな雰囲気があります。


プロコル・ハルムの「Quite Rightly So」が彼女のことを歌った曲だとか、ジョニ・ミッチェルの「Woodstock」が彼女に影響を受けた曲だとか、いろいろと伝説的な逸話もあるようで。エスラ名義でソロを数枚発表した後は、裏方ソングライターで活躍(シンディ・ローパーの大ヒット「Change of Heart」はエスラの曲だそう)