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マイトリア・カリというカリフォルニアのヒッピー・ミュージシャンの自主制作盤2枚「Apache」('71)「Inca」('72)のカップリングCD。さすがヒッピーだけあって、70年代初頭の発表にもかかわらず、60年代にいろんな場所で録音したものの寄せ集め音源だそうなのですが、これが意外にも素晴らしい内容なのです。
サイケというよりアシッド・フォークな弾き語りとゆるい感じのストーンズ風ガレージ・サウンドが中心なのですが、驚くほどポップな側面も。音がモコモコなのにマイナー盤の宿命を感じますが、その録音の古さが、逆に過ぎ去った青春を振り返るような甘美でドリーミーなサウンドにも聴こえてくるのは、USサイケ地獄の罠でしょうか。
なんでもビーチ・ボーイズのマイク・ラヴが一部録音で参加していること。別にそれはどうでもよかったのですが、本当に彼の声が聴こえてきたときにはビックリしました。更にはモンキーズのマイク・ネスミスの声まで。本人はマイナーでも交友関係は結構メジャーですね。近年稀に見るグレート・ディスカバリー。傑作!