知る人ぞ知るSSW,メリル・ファンクハウザーが在籍していたグループ、ファパドクリーの唯一のアルバム('67)。後にMUというバンドも結成しますが、他にもHMS Bountyなど在籍していたグループは多数。その中でも比較的ポップで聴きやすいのが、このバンドだと思います。


最初に聴いた時は、ガレージ臭さの抜け切れないローカルなフォーク・ロックという印象。ゴリゴリのサイケを期待しただけに肩すかしだったものの、ヘタなのに味のあるジャケのイラストに誘われるように、ついつい何度もひっぱり出して聴いていくうちに、だんだん好きになってしまった愛着ある1枚。


とにかく曲が短くてポップです。あえて一言で言うなら「ガレージ・ソフト・ロック」。そんな言葉があればの話ですが。モロにバーズの「霧の8マイル」みたいな曲とかはともかく、全体的にはリヴァプールサウンドのように明快なメロディーを持った曲が多くて親しみやすいです。ただ全体を包み込む「ボンヤリ感」は、どうしようもなくサイケっぽいですけど。