ジャケット地味〜な感じですが、内容は派手。全編コレでもかといわんばかりのゴージャズなオーケストラと凝りまくったアレンジが、いかにも60年代後半ならではの勢いを感じます。たった30分で終わるのはもったいないけど、だからこそ2〜3分に集約された密度の濃い曲のアレンジが、お見事。


もしかしたら、本人たちはシンプルなサウンドを目指していて、オーケストラは後から勝手にダビングされたとか、そういうオチも考えられなくもないんですが、まぁそれでもよしとしましょう。曲も良くて、変拍子と合唱団みたいなコーラスが入る2曲目とか、何だか知らないけれど、とんでもなく盛り上がります。


さすがにミレニウムあたりには負けますが、トラフィックの「ミスター・ファンタジー」あたりは、軽く超えちゃってる傑作。「マジマル・ミステリー・ツアー」期のビートルズに影響受けたモンキーズ風味というか。60年代グレート・ロスト・サイケ・ポップ・アルバム。ジャケットとは裏腹に、かなり明るいサウンドです。