ヴァシュティ・バニヤン(Vashti Bunyan)のライブが、まさか日本で観れるとは思っていませんでしたが、ついに目撃してしまいました。彼女の声とその歌は、ボクにとってはUKフォークうんぬんじゃ語るに足りないのです。それぞれ人にとって「かけがえのないもの」ってのがあるとしたら、彼女の存在そのものがボクにとってはまさにそう。


やけにあっさりとステージに現れた彼女。とても60を過ぎた女性とは思えぬキュートな佇まい。盛大な拍手。若いサポートメンバー2人を従えて歌いだした彼女は、過去の2枚のアルバムそのまんまの歌声で静かに歌いだしました。まるで、今できたての曲を自宅の部屋で友人に聴かせるように1曲1曲解説を入れながら、とても小さな声で。


1st('70)が放浪の旅の記録だとしたら、2ndはただの日常を記録した日記('05)。音楽リスナーとしては、35年の歳月というものをどうしても意識せざるをえないのですが、ライブでは1stも2ndも、まったく関係なく時間軸を超えて並列に演奏されていました。本当に「かけがえのないもの」とは同時に何年経っても「変わらぬもの」なんですね。


「Just Another Diamond Day」
http://d.hatena.ne.jp/bluemarble/20060411
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=168425&log=20040126