ヴァンガードというとフォークというイメージがあるレーベルですが、60年代後半には、こういうサイケなアルバムもあったりします。このエリック(Erik)なるシンガーの詳しいことはよくわからないんですが、アイドルっぽいジャケとは裏腹の、全曲作詞作曲を手がける本格派SSWでした。


無駄に凝りまくったアレンジが微笑ましいというか、実に時代な感じなのですが、かといってフラワーなソフトロックとして片付けてしまうような浮ついた雰囲気でもありません。歌っている彼の体温が低いというか、粘着質で変に冷めた歌声なのです。曲によっては、アシッドフォークの極致ともいうべきヤバイ雰囲気が濃厚。


ポップなタイトル曲はキャッチーともいえますが、その後は逆回転ギターに呪文のようなボーカルが絡んだりと、かなりやりたい放題。アレンジを担当したEdward Blandの存在も気になるところ。「Dead Aftermoon Song」なんか、そのまんま、夕陽を見ながら死にたくなるような名曲。