UKの自主制作フォーク、Ithacaにはテストプレスのみの2ndがあると以前書きましたが、それがコレ('72)。名義がFriendsになっていますが、同名の2人組ネオアコ・バンドもあるのでややこしいです。ただ音楽的にはUKフォークというより、ほとんどネオアコ/Soft Rock系なんですけど。


幻想的というか、ひたすら抽象的だった前作とは違い、随分と突き抜けてポップになっています。Ithacaの更に前身にあたるAgincourt(紹介済み)や、そのまた前身にあたるTomorrow Come Somedayの方に近いフォークロック。その前身がAlice Through The Looking Glassで、これら全部がJohn FerdinandoとPeter Howellという2人を中心に作られたのです。


相変わらずヘタヘタなリズムで、それでも一生懸命キャッチーな曲を作っているようです。音質の悪さや演奏能力不足という表面的な欠点だけを指摘するような耳では、彼らの本質を見落としてしまうでしょう。どの演奏の瞬間だけを切り取ってみても、言葉では言いつくせない「美しさ」と「切実さ」に溢れた音楽だと思います。