「でっかい目玉ジャケ」で有名なThe Freak Sceneの前身にあたるのが、このThe Deep('67)。ペナペナしたローカルな録音、焦点の定まらないアンサンブル、唐突で意味不明なSEなど、世間一般的には「負」の要素満載の文字通りディープなサイケなんですが、実は裏の世界では、かなりの名盤として人気。


全12曲でトータル29分という潔いコンパクトな構成で、種類別に振り分けた複数サイケバンドのショーケースのように目まぐるしく展開します。カメオパークウェイというフィラデルフィア産ポップスの「ど真ん中」で制作されたとは思えないコアなサウンド。ジャケ裏には「Not Recommended For Children」の表示も。


「今話題のサイケなロックとはコレだ!」とレコード会社が提示した即席企画盤が、実は恐ろしいほどディープなUSサイケの本質に迫っていたという感じ。激しい一辺倒ではなく、ちゃんと穏やかでソフトな展開もあり、奥行きは深いものが。楽曲制作からアートワークまで手がけた中心人物「ラスティ・エヴァンス」にも注目です。