シカゴにも一時在籍していたボーカリスト、ビル・チャップリンが昔結成したサンフランシスコの人気バンド、The Sons Of Champlinのファースト('69)。シカゴとはブラス・ロックつながりだったのか、このサンズでもホーン隊の音が印象的ですが、曲も展開も凝っているしヴァラエティに富んで、ライブだったら、かなり盛り上がりそうなバンドです。


ジャケの印象からサイケかと思ったらちょっと違ってたんですが、とにかくチャップリンの歌いっぷりは、こういうやさくれたブラス・ロック・バンドの方がAORオケより全然盛り上がるしカッコいい。モビー・グレープにしてもそうだけど、実力はあるのにライブの情報がうまく伝わらない当時の日本だと過小評価される傾向がありますね。


なんでも当時チャップリンがバンド結成当時18才という若さなのに、子持ちの妻帯者だったことから、このバンド名になったんだとか。その後のビル・チャップリンのAOR風味のソロ作の邦題が「独身貴族」とかいうしょうもないタイトルだった印象がありますが、あれは洒落だったのかな。それとも離婚でもしてたんでしょうか。