クリス・フォスター(Chris Foster)というUKトラッド・シンガーによるセカンド・アルバム('79)。これはいいですよ〜。ギターの腕前もさることながら、とにかく声がいい。もうブリティッシュ・フォークを歌うために生まれてきたような端正かつ男気溢れる声。昔の文庫本の表紙みたいなジャケのイラストも、なぜか好き。


思い浮かんだのは以前紹介したバリー・ドランスフィールドやニック・ジョーンズ、そしてマーティン・カーシー。知名度ではそれほどでもないけど、実力は他の3人に比べても劣るところはまったくない。まぁ、あまりに「王道」の英国フォークなので、この手の音に免疫のない人には、ひたすら「シゴキ系」なのかもしれませんが。


歌とギターだけというシンプルさで、たまに無伴奏シンギング。そしてゲストの2人を迎えての無伴奏コーラスが、また究極にイナたい雰囲気なのです。つまんない人には徹底的につまんない激地味な英国フォークだとは思うんですが、渋茶のわかるお年頃なら大丈夫。徹頭徹尾、大人の音楽。