後追い世代といいますか、大滝詠一の「ナイアガラ・ムーン」の方を先に聴いてしまったわけなんですが、そんなわけでドクター・ジョンの「ガンボ」('72)です。大学生の時、このアルバムの曲をライブでドラムをやることになって、何度かリピートしていくうちに、すっかりニューオリンズR&Bの魔力にハマりました。


ルーツ・ミュージックというカテゴライズがあるなしに限らず、やってるミュージシャンの奥深いルーツを感じさせる音楽は、何度聴いても飽きることがありません。好きなアルバムが、ただ「好きな一枚」で終わるだけじゃなくて、「他にももっと素晴らしい音楽があるんだ」という事を感じさせてくれる音楽。


ルーツとなる50年代ぐらいのニューオリンズ音楽の魅力が、70年代初頭のクリアーな音質に見事にわかりやすく表現されています。もちろん最初は何も考えず踊りながら「腰で聴け!」が基本ですが、ニューオリンズ音楽には、底知れぬ財宝がまだまだ眠っているわけで、いまだに「ガンボ」は、そういう音楽の優れた参考書であり続けるのでした。