まだ現時点で発表されてないレコード・コレクターズの「80年代ロック・アルバム・ベスト100」で「ひょっとしたら1位では?」と勝手に想像しているのが、このトーキング・ヘッズの名作('80)。このバンド、今野雄二が絶賛派、渋谷陽一が否定派という、妙な図式がいまだに脳裏にこびりついてます(笑)


初めて聴いたのは発売から5年も過ぎた頃。「リトル・クリーチャーズ」('85)の曲のPVが「ポッパーズMTV」(懐かしいね)でよく流れていて「なんだか変だけど面白そうなバンドだなぁ」という印象が。「リトル〜」が明るい、「リメイン〜」が暗いという当時は単純な色分けでしたが、さすがに後者は5年後でも充分に衝撃的でした。


とにかくリズムというか音の組み立て方がどれも謎だらけ。ミニマルとアフリカンとファンクとレゲエとテクノと、まあ何でもゴチャマゼにしたダンス音楽。1コードのアジテーションみたいな歌。なのにちゃんとポップでロック。ブライアン・イーノとしても最強の仕事っぷり。記号としての「80年代」など木っ端微塵に吹き飛ばす永遠の名盤。