「個人的80年代史」ということで、当時聴き狂っていた懐かしい盤をひさびさにいくつか取り上げてみようと思います。でもって我が「80年代ベスト25」を今月のレココレ発売日以降に発表しようと。個人的には80年代が青春ど真中なもんで、当時買ったアルバムは、曲の隅々までよ〜く憶えているものが多いです。


さて今回はモーマス(momus)です。今でも活躍していますが、個人的に聴き狂っていたのは90年代前半までのアルバム。とりわけ、この3rdアルバム('88)は衝撃的で、全曲素晴らしい大愛聴盤。ドタバタした打ち込みの業と、持ち前のヒリヒリした弾き語りと、ヌメヌメしたオンマイクの囁き声。何だか気持ち悪いんだけど、これがいいんだよなぁ。


薬漬けのドノヴァンか、80年代のトニー・コジネクか。とにかく80年代のキラキラして浮ついた雰囲気に冷水を浴びせるかのようなセクシャルで倒錯的な佇まい。ヌケヌケとハウスビートを導入したりして冗談か本気かわかんないんだけど、そのすべてが美しく響いてきます。ジャケット写真もキレイで、やっぱり今でもアナログUK盤で聴いていたして。