小難しいジャズの精神論は置いといて、今ジャズをやってるミュージシャンにボクが期待したいのは「もっとスコアに没頭してみれば?」ってことかな。かつてのジャズにはそれがありました。たとえばミシェル・ルグランのこれ('58)。演奏者マイルス・デイビスをはじめ、コルトレーンビル・エヴァンスなど。豪華です。


サントラ盤「華麗なる賭け」('66)の収録曲で高速とスローの4ビートがカットアップのように交互に現れるアレンジに驚いたりしたことがありましたが、そのワザは、このアルバムの1曲目(ファッツ・ワーラーの曲)でも既にお目見えしてます。「チュニジアの夜」の前奏で、あの印象的なテーマをバラバラに解体してるのも面白い。


ソロでひっぱるかなぁと思わせて、カウンターのようにフワっとしたホーンアレンジが常に登場してくるところに、スコアリングされたジャズならではの見せ場が。こうしたアレンジが一番ハマるのは、やっぱり映画音楽なんですけど。ジャズといっても硬派ではなく、あくまで軽快。なごみとスリルが心地好く同居してます。