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エスキヴェル(Esquivel)は、ラウンジとかモンドとかより「バチュラー・ミュージック」という表現が一番ピッタリします。レコードを自宅の高級なオーディオ・システムで聴くという行為そのものが、非常にバチュラー(独身)な大人の愉しみウだった時代がロック以前には確かに存在したのです。
ジャズでもクラシックでもない、このユニークなビッグ・バンドのインストを、ムード音楽と簡単に形容してしまうのもったいない。洗練されて優雅な部分も、アイディア満載のアレンジによって時に歪なほどバランスが崩れてしまう、この摩訶不思議なサウンドは何?。できれば、1958年に独身貴族(死語)の状態で驚きたかった。
このビクターの「Living Stereo」シリーズは、ジャケといいアーティストといい、実にバチュラーなラインナップなんですよねぇ。スリー・サンズはもちろん、ヘンリー・マンシーニやペレス・プラードなんていう「大御所」でさえ、なぜか極端なまでに「ステレオ感」を強調した変テコなアレンジで挑戦したアルバムが多いのも特徴でした。