Ash Ra Tempelの名盤('76)。とにかく1曲目の「Sunrain」に尽きます。メジャー9thの甘く切ないミニマルなキーボードリフに乗せて、シュコシュコとヌケの悪いリズムボックスが絡む、「元祖テクノ」みたいなサウンド。聴いてると、まるで天にでも昇っていくよう。あ〜気持ちいい。


思えば、このバンドも最初期は、まるで気が狂ったジミ・ヘンドリックスのようなヘヴィでサイケデリックな即興ギター・トリオだったわけで。そう考えると逆にジミヘンもずっと生きていたらテクノに走っていたか?と、想像してみるのも面白いかも。ジミヘンの歪んだアンプの使い方は、ほとんど電子音楽と変わんないと思うし。


ジミヘン的な覚醒音楽(つまりはサイケ)ものが70年代になると本国アメリカでは沈静化していくのに対して、逆にドイツではどんどん純粋培養されて盛り上がっていくのも面白い話です。ちなみに写真のオリジナル盤LP(Virgin盤とジャケ違い)を、レコファンの100円コーナーから見つけた時は驚喜しました。