口ロロクチロロ)というバンド名を最初に知ったときは、いろんな意味で衝撃だったんですが、その彼らの音楽がこんなに素晴らしいと認識したのは、実は最近のこと。たまたまテレビでPVを観たんですが、もうイントロのたった10秒ぐらいで「いいなぁ、いいなぁ」と思っちゃいましたね。


とにかくポップなんだけど、なんかこう音がキラッキラしてるんですよね。このアルバムなんか、モロにヒップホップの影響受けまくりなんですが、ボーカルも含めどこか「一般的なヒップホップらしくなりきれてない」というところがミソなんです。そこが逆に黎明期のヒップホップみたいなプリミティブでワイルドな野心を感じるんです。


「真夏のラストチューン」は、まるで「LIFE」時代の小沢健二みたいな極上のディスコ・ポップ。いとうせいこうが参加した「おばけ次元」が「MISS/AGE」時代そのまんまの音なのも嬉しい。シングルになった「GOLDEN KING」も、ここしばらくは脳内ヘビロテ中。1曲目の谷村新司ネタのインストは感動と笑いのシンフォニー。