アモン・デュール(Amon Duul)はドイツを代表するサイケデリック・グループ。60年代末にコミューン生活をしながら集団即興演奏していたのですが、アルバム発表前に2つに分裂。一方は、より音楽的なグループ、アモン・デュール2(やっつけな名前だ)に発展し徐々にポップ化。オリジナル・デュールの方は、数枚のアルバムを作り、すぐに解散してしまいます。


これは、そのオリジナル・アモン・デュールによる3枚目。「楽園へ向かうデュール」('71)と題された日本盤CDには激レアなシングル曲もプラスしてビックリしたものですが、内容はのんべんだらりとしたヒッピー風フォーク・ミュージックで、何と英語で歌っています。サードイヤーバンドとグレイトフル・デッドを足して2で割ってスピード落としたようなユル〜い音。


1st「Psychedelic Underground」('69)は阿鼻叫喚の集団トリップ。2nd「Collapsing」('69)は、その悪夢のフラッシュ・バッグ。2枚とも、実はコミューン時代のテープ記録を後に編集したコラージュ作品でした。純粋なスタジオ録音作である3rdはアフターアワーズ的穏やかさの中に、得体の知れない狂気が見え隠れ。これぞ本物のアシッド・フォーク。