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NYカーネギーホールでの演奏をフルで収録したデイヴ・ブルーベック・カルテットの2枚組ライブ盤('63)。デイヴ自身のライナーを読むと結構演奏上のハプニングも多かったらしいのですが、それらが偶然にも本人たちの予想以上の演奏の効果をもたらしたとのこと。最高の演奏が最高の音質で聴けます。
ドラムのジョー・モレロは、この日、風邪の病み上がりでメンバーを心配させたそうですが、なぜか凄まじいドラム・ソロを展開してお客さんを沸かせています。サックスのポール・デスモンドは、予想以上にソロを長く吹いてしまったそうですが、溢れ出るフレーズは、どこまでもスムーズで飽きさせません。
ベースのユージン・ライトはコードを外したソロを展開し、これまた偶然にコードを変えたデイヴのピアノと見事に調和してしまったりとか。ジャズというのはKY(空気読め)だけじゃつまらない。本人たちも予想もしなかった偶然性に、いつまでも色褪せないミラクルがあるのです。聴くたびに興奮する歴史的事件の全貌がここに。