英Deramが実験的に立ち上げたレーベルDeram Novaから発売されたBill Fayのファースト。以前紹介したセカンドでは痛々しいほどシンプルなバッキングで切々と歌う泣きのSSWという感じでしたが、こっちはまだ元気。メロディーは切な系ですが。歌声はELPのグレック・レイクを頼りなくした感じ。味があります。


セカンドとの大きな違いは全編にわたる派手なオーケストレーション。もはや歌がバラードなんだろうがお構いなし。まぁシンプルなSSW系を好む人たちにはトゥーマッチなんでしょうけど、本人の内省的なキャラとの異質な組み合わせが逆に面白いと思うんですが。


バックはギターがRay RussellとかドラムがJohn Marshallとか、英ジャズ・ロックの先進的なミュージシャンが参加していて、このあたりが当時のクロスオーバーな英ロックの多様性が垣間見れて興味深いです。英フォークというより、プロコルハルムの「グランドホテル」('73)あたりに近いクラシカルな雰囲気も濃厚です。