ロジャニコの再発盤のように日本企画ではない輸入盤のみの発売だったので話題になりにくかったんですが、このフリー・デザインの再結成盤は本当に素晴らしい。彼らの残した旧譜はどれもクオリティーが高いんですが、この盤では従来の輝きもそのままに、さらに磨きがかかった複雑で美しいコーラスワークに圧倒されます。


なぜフリー・デザインが素晴らしいのか。ロジャニコが、たった一枚のA&M盤で伝説になるのは状況としてわかりますが、フリーデザインは67年から73年までの間に7枚もアルバムを発表してるのに。ただ、その中のどれもトップ100に入るものはなかったのですけど・・・


この再結成盤は、Marinaというレーベルが企画したブライアン・ウィルソンのトリビュート盤への参加をきっかけに制作されたのでしょう。曲やハーモニーはいいのに、オケのクオリティが宅録デモっぽいロジャニコ再結成盤とは違い、この盤はオケのクオリティも驚愕。恥ずかしいけど、初めてこのアルバムを聴き終えたときは本当に涙が出そうになりました。