穴空き変形ジャケを見事に再現した紙ジャケCDによる日本盤のオビには「彼らの作品中で最も商業的に成功した四作目」と書いてますが、どう考えても最もコアで「イッちゃってる」としか言いようがない作品。シングルカットされた「ウェディング・ベルズ」あたりは本家10ccも真っ青の王道ポップスですが・・・


代表曲「スナック・アタック」はラップをいち早く取り上げたことばかりが語られがちですが、リミッターをギリギリまでかけたオンマイクによる生々しい肉声や、妙にモコモコしたリズムボックスによるオケにまず耳が奪われます。同曲を回転落として別ボーカルを組みあわせた曲もあり、これも衝撃的。


このリミックス的手法。きっかけは黒人音楽のファンキーな発想(ヒップホップやレゲエのダブ)から着想を得ているとはいえ、どう聴いても密室的で開放感がまるでありません。ノイ!やCANあたりの70年代ジャーマン・ロックに通じる「現代音楽のポップ化」、あるいは中期ビートルズが確立した「実験的ポップス」といったところ。