元マンフレッド・マンと元チキン・シャック、それに後に脱退しソングライター・チームとして成功する2人組ギャラガー&ライルで結成されたのが、このバンド。地味なのか豪華なのかよくわからないキャスティングですが、音的にも、そんな感じで、サイケを脱して、泥臭さを目指していて、いかにも時代の流れを感じます。


解散間際のビートルズの、特にジョージ・ハリソンあたりが目指していたサウンドにも通じるものがあり。これもまた「英国のザ・バンド」シンドロームのひとつ。プロデュースがグリン・ジョーンズですが、この人、お蔵入りしたビートルズの「ゲットバック」セッションのプロデューサーでしたね。


そう考えると「もうひとつのビートルズ」っぽいバンドとしても、実にニッチなツボを押さえた1枚。何でこのバンドがアップルからデビューしなかったのか、と余計なことを考えてしまうほどに、実にアップルっぽい音。今一歩地味で、売れない音だけど、精一杯の愛情をこめて、最高の「B級バンド」と呼ばせていただきます。