あまり歌は上手いとはいえないんですが、逆にそれがランディ・ニューマン的風情をさらにかもし出してしまっているアンディ・ゴールドマークのデビュー盤。後にヒットソングライターとして成功する人なんですが、どう考えたって、21歳の若者が思うがままに作り上げたこのアルバムこそが、ボクにとっては「成功」。


徹頭徹尾ノスタルジックなサウンド。印象的なジャケット(なんとノーマン・シーフらしい)の効果も手伝って、実に洒落っ気があります。よくよく聴くと、ストリングスなど、いかにもハリウッド的ゴージャスさなんですが、ピアノと歌があくまで中心のサウンドなんで、地味で内省的な雰囲気が濃厚。プロデュースはゲイリー・アッシャー。


昔はポール・パリッシュの「ソングス」やピーター・ゴールウェイのソロなんかと並ぶ「ワーナー地味系ロック」の人気盤だったような気もするんですが。せっかくのジャケもCDだと、あんまりインパクトがない。こういうアルバムは、ジャケット・スリキレ、針音がプチプチぐらいがちょうどいい。